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漁船衝突ビデオ流出の「犯人」は「英雄」だ

リバティwebより転載:

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=113

責められるべきは情報公開しなかった菅政権

 4日午後、尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に中国漁船が体当たりした映像が、インターネット動画サイト「You Tube」に流出した。

約44分間の映像には、2隻の巡視船が中国語で停船命令しているにもかかわらず、中国船がエンジンの回転数を上げて船首を向けたまま体当たりしたり、衝
突を避けようともせずに巡視船の側面に幅寄せするようにぶつかる2度の衝突シーンが映っている。

 特に1回目の体当たりは、中国漁船の意図的な体当たりであることは明らかだが、これが日本の主権の及ぶ領海内で堂々と行われたことを考えると許し難い。


 だが、それ以上にあり得ないのは、流出後の菅政権の対応である。

「国の情報管理に危機感を感じた。真相究明に全力を挙げる」(菅直人首相)

「調査から捜査に切り替えるかどうかの判断をしなければならない」(仙谷由人官房長官)

「政府の情報が流出したのなら事件として扱い、徹底的に捜査しなければならない」(前原誠司外相)


菅政権が「犯人探し」に必死になる姿は、まるで劉暁波さんのノーベル平和賞の受賞のニュースを完全情報統制して、自国民には知らせない中国政府の姿にそ
のまま重なる。

仙谷官房長官は、昨年9月の政権交代直後のテレビ番組で、「戦後自民党政治は『由らしむべし、知らしむべからず』でずっときた。陰でこそこそという部分
があるから国民が政府のやっていることを信頼しない」と発言している。

だが、今回の事件の映像については、「刑事事件捜査は密行性をもって旨とするというのは、刑事訴訟法のイロハの『イ』だ」(仙谷官房長官)として、国民
に公開しないスタンスを貫いてきた。


 映像を流出させた実行者は、外交的な脅しに屈して中国人船長を釈放したり、国際会議で会談を一方的にキャンセルされるなど、中国側に翻弄される菅政権
の無策ぶりに腹を立てたのだろう。

流出責任そのものよりも、情報公開しなかったことの方が責められるべきだ。


映像流出は国民の知る権利に奉仕しただけ

 毒入りギョーザ事件を振り返っても分かるように、中国の政府やマスコミは、自国に非があっても、「中国で混入した可能性は低い」「最大の被害者は我々
だ」などと他国のせいにして事実をウソで塗り固めている。

国民に真実を知らせず、民意をコントロールするのは、自国民をバカにした、愚民視政治に他ならない。

中国政府は今回の事件について、「海保がぶつけた」と述べていたが、流出ビデオはそうしたウソを国際社会の白日の下にさらした。中国政府の外交手法と国
内統治のあり方は、まったく国際社会に堂々と登場できるレベルではなく、一層の国家としての情報公開(グラスノスチ)を進めるべきだろう。

日本のマスコミも菅政権同様、流出責任と、アジア太平洋経済協力会議(APEC)での胡錦濤国家主席の出方などの対中外交の不安ばかりをあおっている。


「対中関係に影響も」「中国世論、再び硬化か」(朝日新聞2010年11月5日付夕刊)

「日中関係に影響懸念」「『情報管理ずさん』」(読売新聞2010年11月5日付夕刊)

「中国国内から反発」「『誰が何の目的で』」(毎日新聞2010年11月5日付夕刊)


これはマスコミ自身が、日本の国益に対して責任をとらない卑劣な態度だ。

日本は、正しいことは正しいと主張できる国家となるべきである。

ビデオを流出させた実行者は、国民の「知る権利」に奉仕しただけで、日本が中国に屈服するのにがまんできなかった人であろう。

中国が、釈放された船長を「英雄視」するのなら、日本の政治家やマスコミは、情報公開者が「英雄」であると扱うべきだ。
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